2019年7月19日 (金)

クロシジミ

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関東甲信越のクロシジミの生息地は静岡県富士宮市に11ヶ所。山梨県富士吉田市、富士河口湖町に14ヶ所。新潟県魚沼市、妙高市に9ヶ所。埼玉県川越市、狭山市に2ヶ所と多くの生息地が点在している。クロシジミは7月上旬から発生が始まり8月初旬までダラダラ発生。♀は午前中林道沿いや荒れ地の林縁草地などのヒメジュオンの花に飛来し活発な吸蜜活動をする。♂は午後3時前後から樹木の冠部や高所枝先、時には背丈の高い草の上などで活発な占有活動をする。この地方はホストに使用される草木は特定がなく、ススキやイタドリ、栗などクロオオアリが絡む植物なら何でもありという感じである。産卵時にはクロオオアリが絡む草木を見つけると、長い時には7~8分もクロオオアリの行き来などアリの通路のようなアリ道を確認しそのあり道の近くに産卵する。面白いのは最初の1匹が産卵場所を確認して産卵をすると、次々に飛来する個体はアリの行動などを確認することもなく、最初の個体が産卵した周囲に無造作に産卵し、多くの♀が飛来し産卵した時には枝が部分的に真っ白になるほどである。採集は午前中がお勧めで、林道沿いや荒れ地などの林縁草地などを軽くネットで叩くか風圧を与えると♂♀共に飛び出してくる。また、荒れ地などにヒメジュオンが群生しているような場所では花に静止している個体が容易にみつけられ、踏み込めば多くの個体が飛び出す。関東甲信越のクロシジミは多少の個体変異がみられ、白化傾向の強い個体の出現率が高いのは山梨県北富士演習場や本栖高原、静岡県上井出。逆に黒化傾向の強い生息地は本栖高原である、さらに♀の翅表面に青鱗の出現率の高い生息地は本栖高原や富士宮市上井手の局地的である。この種は比較的雨には強く、小雨程度なら活発に飛び交うが、裏展が主流のこの種の採集にはネットが濡れないように注意しながらの採集である。今年は発生が遅れていることからこれからが採集適期である。ちなみに静岡県富士宮市では最多生息地が造成なとでつぶれているが、管理もなく採集禁止である。

2019年7月16日 (火)

アオバセセリ

アオバセセリに限らず、セセリ類は発生初期の新鮮個体を採らないと、占有活動をしたり、花に吸蜜に飛来したりしている個体は大半縁毛などが消失している個体てある。梅雨が明け、7月下旬になるとアオバセセリの2化の発生がはじまり、同時期にはスミナガシの2化の発生も始まる。成虫になるとアオバセセリはヤマイモ類の花などから吸蜜するがスミナガシは樹液から吸汁と方法は全く異なるが、発生初期の行動は同じ吸水活動をする。この2種類は羽化して3日~4日は吸蜜、吸汁をすることはなく、早朝の吸水のみである。早朝まだ薄暗い林内の林道空間などで吸水活動をする。4時ごろになると林道沿い、地面スレスレに早いスピードで何か黒い個体が一方通行のように飛び去る。とても飛翔個体を確認することはできない一瞬の飛翔である。この飛翔方向に注意深く進むと多少の空間広場で吸水している個体がみつかる。この吸水場所が分かれば、ティッシュにポカリスエットなど丸めて湿らせ、地面にトラップとして置いておくが、2~3ヶ所セットしたいので、ネットをかぶせても他の個体が逃げないような多少離れた位置にセットする。空間広場に飛来した個体は旋回活動を始め穏やかに旋回したあとティッシュに静止して吸水活動を始める。このように飛来活動をするのは4時から5時前後まで。その後5時半ごろになるとスミナガシが全く同じ行動で吸水活動が6時前後まで見られる。この時間帯に見られる個体は羽化直後の個体で、日中ネットインできる個体とは眼を疑うほど異なる新鮮、綺麗な個体である。アオバセセリとスミナガシは食樹は同じアワブキであり、かなり濃い生息地なら大半狙えるので、日中の採集時に活動する林内や林道沿いの空間などを調べておき、狙いをつけておく。チャレンジ精神旺盛の方はぜひ早朝、夜明け前の採集にチャレンジしてみては。

2019年7月13日 (土)

ゼフ

標高700~1000m以上のゼフ生息地では現在最盛期を迎えている生息地やこれから最盛期を迎える生息地が少なくない。中でも集団で群れるアイノミドリシジミやメスアカミドリシジミ、ダイセンシジミ(ウラミスシジミ)、ウラジロミドリシジミなどと出会えると圧巻であり、ネットを振ることさえ忘れるほどの感度が。アイノミドリシジミは早朝山梨県の日川林道の沢との出会いや焼山林道で遭遇することができる。また、メスアカミドリシジミは中央自動車道・小淵沢ICから甲州街道へと向かう林道途中の沢との出会いで午後3時前後に無数の個体が集まっている。これらの種は1ヶ所に複数の個体が卍をしたり、追尾をすりこともなく、まるで低木の葉先に花が咲いたように翅を広げて静止している。ウラジロミドリシジミは福島県磐梯山麓の別荘地の小川周辺で、一方通行のように複数の個体が群れるように次々と飛翔してくる。ダイセンシジミは長野県茅野市のペンション村下方の林の上空を、まるでムクドリが群れて上空を帯びのように夕暮れに飛び交う様を見るように、この種も林の冠部を帯び状で飛ぶ様は蝶とは思えない迫力である。 また、フジミドリシジミは長野県秋山郷の林道沿いの下草に静止するおびただしい数の個体が早朝見られる。この情景が見られるのは前日が快晴で採集日も晴れという条件付きである。これはブナ林の冠部を活動場所とし、水分のみで生きるフジミドリシジミは快晴だと冠部の葉は渇いてしまうことから、翌朝夜露で濡れる下草に舞い降りる。長い期間、現在に至るまで早朝下草に降りると言われ続けているが、私の見解は朝下草に降りるというのは正解ではなく、♀は前日の夕方には下草に降り静止している。これは下草に静止している♀の個体は夜露に濡れる下草同様に個体の翅も夜露に濡れ、飛翔活動ができない状況からみても明白である。♂も同様に夕方降りるが下草までは降りず、地上2~3mの樹木の下枝や低木の葉先まで降りて夜を過ごしている。晴れた日の夕方、翌日も晴れるとどのように感知しているかは虫独特の感知能力であろうが、興味深い行動である。各種記した場所は代表的な生息地であり、この記載場所以外にも多数の場所での出会いはある。

2019年7月 9日 (火)

空間把握能力

飛翔してくる個体との距離感や、林道などを車で走行中に林道沿いに飛翔してくる個体をみつけ、急いで車から降り個体を狙うと、ネットインチャンスの手前で林内へと飛び去ってしまったなどという経験があるだろう。大半の人はそこであきらめてしまうが、見えない樹林の空間を想像し、飛翔コ―スを想像して、飛翔方向の林道空間へ先回りしてネットインを狙う。また、林内空間を飛翔する個体の時などは周辺の環境を見て林道へ飛び出してくる個体を狙う。同様に高所を旋回したりしている個体も低地に飛翔してくる場所を環境を見ながら瞬時に想像することが空間把握能力である。空間把握能力と聞くと難しく感じるが、常時飛翔コ―スや環境を見ていると自然に身に付く能力である。

2019年7月 3日 (水)

奄美大島、沖縄

梅雨明けの遅れている沖縄、奄美は各種蝶の個体数は極めては少なく、夏の種や2化は未発生の種類も少なくない。沖縄本島の名護から大宜味村などに点在するフタオチョウの生息地では個体数も多く、♀も最盛期近い発生状況である。一方奄美大島は発生が1週間から10日前後遅れ、アカボシゴマダラは 生息地により異なり 末期から 最盛期 さらに 目撃できれば良いほうのくらいの発生状況である。アカボシに限らずフタオチョウ、カラスアゲハ、ミカドアゲハ、スミナガシ、、オオシロモンセセリなども局地的にわずかに目撃できる程度である。多く眼にするのは ツマベニチョウ くらい。今週末には奄美地方は梅雨明けと思われ、アカボシやフタオチョウ狙いなら週末以降がお勧めてある。関東甲信越地方でも各種発生が遅れ、全体的に個体数は少ない。

2019年7月 2日 (火)

奄美大島、沖縄

梅雨明けの遅れている沖縄、奄美は各種蝶の個体数は極めては少なく、夏の種や2化は未発生の種類も少なくない。沖縄本島の名護から大宜味村などに点在するフタオチョウの生息地では個体数も多く、♀も最盛期近い発生状況である。一方奄美大島は発生が1週間から10日前後遅れ、アカボシゴマダラは目撃できれば良いほうのくらいの発生状況である。アカボシに限らずフタオチョウ、カラスアゲハ、ミカドアゲハ、スミナガシ、、オオシロモンセセリなども局地的にわずかに目撃できる程度である。多く眼にするのはミカドアゲハくらい。今週末には奄美地方は梅雨明けと思われ、アカボシやフタオチョウ狙いなら週末以降がお勧めてある。関東甲信越地方でも各種発生が遅れ、全体的に個体数は少ない。

2019年6月17日 (月)

アサマシジミ

長野県は条例で採集禁止になっているアサマシジミ。この種の発生時期にはウラクロシジミやチョウセンアカシジミ、ウラキンシジミ、キマダラルリツバメ、真っ黒なフタスジチョウなどの発生時期と重なるもののほかには余り狙う種類もなく、アサマシジミは人気の的となり採集者も多い。この種の採集地としては群馬県に8ヶ所あるが、なんと言っても圧倒的に生息地の多いのは山梨県である。山梨県には北杜市、韮崎市、忍野村、笛吹市、甲州市、富士河口湖町などの他、周辺の市町村などを含め私が知る範囲で40ヶ所前後の生息地が点在している。私のマップ記載地は弱齢幼虫を含めての幼虫採集がひどく、成虫採集は非常に厳しい状況である。しかし未公開のしられていない生息地では局地的な狭い生息地でも二桁採集は容易である。山梨県の各地の生息地は大半発生初期でまだ未発生の生息地も多くみられ、発生の遅れている今年は6月末まで新鮮個体が狙えると思われる。アサマシジミは晴天な日は当然ながら小雨模様でも採集可能な蝶で、ススキやスゲなど露の溜まらない葉などのほか下草の下葉がなく、空間のある茎なだを好んで静止している。小雨模様や晴天の暑い日などの静止場所は♂と♀は異なり、♂は比較的風通しのよい空間に伸びているような葉先などに静止しているが、♀は草地の中や周囲に自生する下枝の無いような低木の根元などを好んだ静止している。この種の活動範囲は狭く、食草のナンテンハギからそれほど離れることはないが、林道沿いなどの生息地では空間を飛翔し周辺の草地に溜まることも多い。活動時間帯はナンテンハギの自生する草地や農道、林道沿い、林内などの低空を穏やかに飛翔し、背丈の低い草地や荒れ地などでは地面すれすれに飛翔する。しかし、採集時には飛翔個体より草地などに踏み込んだり、草地の上を軽くネットで風圧を与えた時などに飛び出す個体が多い。しかし、アサマシジミの生息地は激減していることも確かで、これは人為的な作業に負うことが多い。これはあまりにもひどい幼虫採集である。幼虫採集は昔から行われていたが、昔はアサマシジミと付き合いながらの幼虫採集で弱齢幼虫などは採集せず終齢幼虫のみの採集で生息地が潰れるようなことはなかったが、近年はまるで生息地を潰すのが目的かと思われるほど弱齢から全ての幼虫を持ち帰られている生息地が多く、絶滅生息地も多く眼にしています。私発行の「関東甲信越の蝶採集・監察マップ」にも以前はアサマシジミ生息地を記載していましたが、幼虫採集に利用され、同じくオオルリシジミも記載地の食草であるクララが根こそぎ抜かれ全滅してしまうなど、採集者が楽しめればと記載している生息地が消滅していることから、最近のマップにはアサマシジミもオオルリシジミも記載できない状況となっている。

2019年6月14日 (金)

チョウセンアカシジミ

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岩手県や山形県のみに生息していると言われていたチョウセンアカシジミであるが、生息地は局地的で少ないながら以前から新潟県にも生息地は点在していた。しかし、現在長岡市や見附市、三条市、寺泊町、燕市、加茂市などに40ヶ所以上点在している生息地は大半人為的に放卵された場所であるが、中には以前から生息していた生息地も私が調査した範囲では3ヶ所が残されている。残されているという表現は以前は上記生息範囲内にも多くの生息地があったと考えられるが、食樹であるデワノトネリコは基本的には田畑の土手などに稲の天干し用に植えられた物であり、田畑の整備や河川工事などで多くの生息地で伐採されて生息地が消滅してしまったことは容易に想像がつく。現在残されている3生息地は山里の林縁などの全く目につかないような場所に生えているデワノトネリコで発生している。岩手県産の明るい個体群、山形県産の黒い個体群とは異なり、以前からの新潟県産はこの両県の中間型のような個体群である。現在大半の生息地の個体群は山形県産の個体であり、人家の庭先や田畑の縁などに3~4本以上デワノトネリコが立ち並び、さらに根元に草地などの空間がある場所に放卵され、生息地となっていることから車で流していても容易に生息地が発見できる。しかし、心無いマニアが田畑で働けなくなったご老人が人家の庭先や、人家の敷地内にある畑で大切に育てている野菜畑などに早朝から無造作に踏み込み、日頃は「採れたか?」「お茶でも飲んでひと休みしろ」などと優しく声をかけてくれる地元の人達が我慢の限界になり、デワノトネリコの伐採や採集禁止にした町(塩新町)までと、ネットを持った我々を敵視されるような情報に陥っているのが現状である。チョウセンアカシジミは15時前後までは活発に活動することはなく、大半食樹の根元周辺の下草や食樹の枝先に静止していることから採集時にはいきなり枝さきをネットで叩くことなく、まずは眼で探すことから始めたい。下草など根元周辺に静止している個体は比較的羽化直後の新鮮個体が多い。活動を開始するのは15時前後からで、枝先などを活発に複数の多くの個体が飛び交う。チョウセンアカシジミは1本の食樹から希に早く発生する個体がみられるが大半同時発生で一気に全ての蛹から発生する。この種は比較的ネットの中で擦れやすく、本当に綺麗な個体の採集が難しい。私はこの種の採集は小雨模様や雨上がりに、下草に降りて静止している個体のピンセット採集である。翅を閉じて静止している個体の裏面から新鮮度を確認してのピンセット採集をし、帰宅後時間をおかず三角紙の個体を再度確認。これは翅に露がついていないかの確認で大丈夫ならせのまま冷凍庫へ。この採集だと展翅の時、腹部に触るのみで翅にはネットなど一切触れない状況で翅が擦れることもなく新鮮な状態で標本にできる。現在チョウセンアカシジミは最盛期の生息地が多く狙い目である。

2019年6月 4日 (火)

キマダラルリツバメ

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関東甲信越地方ではあと1週間もするとキマダラルリツバメの発生時期となる。この種の採集方法は早朝下草の葉などで夜を過ごした個体を探す方法。午前中ドクダミ、ヒメジュオン、オカトラノオウなどの花に飛来し吸蜜している個体。日中長竿で枝先から叩き出す採集。3時前後から占有活動をする個体狙いの採集。早朝の採集はかなり難しいが静止しているのはウドやジャガイモなど大きめな葉上に多く見られる。吸蜜に飛来している個体は花が群生している中ではなく、群生している脇などに単独で咲き片側に必ず飛翔する空間がある花に大半飛来している。花に飛来した個体は一瞬静止した直後、飛来した方向の空間に向きを変え、飛び立つ時前方に障害物がない空間に向いている。希に吸蜜後そのまま花の下に静止して占有活動をする時間までいる個体もみられるので特にヒメジュオンの花の下は要注意。しかし、なんと言っても採集確立の高いのは占有活動の時間帯で、活動時間はその日の天候により昼前後から、時には5時過ぎからとバラバラであるが晴天なら4時前後には活動が始まる。この占有活動時には比較的狭い範囲を行き来することから空中戦でも容易にネットインできるように感じ、飛翔個体にネットを振る人を目にするが、空中戦はそれほど甘くなく振り逃がしが続くと、逃げた個体の不自然の飛翔を周囲で見ていた個体が危険を感じて占有活動の場所に飛来しなくなることが多く、この活動中には比較的短時間で活動場所の枝先や下草に静止するので、静止し翅を広げたらネットインは容易である。この種はかなり複雑な習性があり、陽が射さない曇りや小雨模様でも占有活動とは異なる活動をするが、よほど生息地を熟知していないとこの状況での採集は難しい。

2019年6月 3日 (月)

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ミヤマカラスアゲハの美麗個体が多産する長野県秋山郷では発生が1週間前後遅れていたが各地で発生が始まっている。と同時に標高12~300mの生息地ではまだギフチョウがかなり採れるが流石に新鮮個体は少ないものの、まだ標本にしても大丈夫な個体も多く、さらにこの時期にはイエローテ―ル♀の発生時期でもあり切明や苗場山3合目登山口周辺は要注意である。新潟県ではオオルリシジミの発生も局地的ではあるが始まり、クモマツマキチョウとの2種狙いも可能である。両種類とも生息地が局地的で個体数も少ないがチャレンジしてみる価値はある。まだベニモンカラスシジミが飯田市では新鮮個体がみられ、今年は各種の発生が1週間前後遅れているが比較的ダラダラ発生気味で最盛期を見極めるのが難しい年である。今週末にはチョウセンアカシジミが、中旬にはキマダラルリツバメも発生が始まり、狙いが難しい時期となる。蝶屋では6月22日~23日は福島県でのキマダラルリツバメツアー。7月6日~7日はフジミドリツアー。13日~15日はクロシジミツアー。 19日~22日は北海道でオオイチモンジほか五目採りツアー。その後もキリシマミドリシジミツアーやオオゴマシジミツアーなど毎週末ツアー開催である。今週末や来週末のツアーは無理でもその後のツアーはまだ参加可能である。また、10月5日~14日はマレーシア・ランカウイ島採集ツアーも募集中である。写真は新鮮なイエローテ―ル。

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