キマダラルリツバメのテリトリー
福島県のキマダラルリツバメのテリトリー活動は他地方とは異なり、目線より下の草地で張る。
草地でのテリトリーの張りかたにも天候により時間、場所、静止植物などに習性がみられる。
まず時間は晴天の暑い日には17時を過ぎてから活動を開始することもある。
太陽が雲に見え隠れするような日には15時〜16時くらいには活動を開始する。また雲が多くたまに太陽が顔を出すような曇り時々晴れのような天候だと湿度なども影響して14時〜16時と活動を開始する時間帯の幅が広い。
朝から曇りながら昼前後から晴れた場合も前記の活動時間帯が当てはまる。
朝から鈍曇りや激しい雨の場合はテリトリー活動を開始することがないが、薄曇りや小雨の場合は一度太陽が顔をだすと時間帯に関係なく薄曇りの中でも12時過ぎの早い時間からテリトリー活動を開始する。
この活動開始を知るには湿度が低くなり小さな虫などが飛び交いだすのが目安となる。
朝から雨の日でも昼間小雨状態になれば可能性は高く、止みそうで止まないような小雨が続いていても、前記同様に湿度が低くなり、小さな虫などが飛び交いだしたら確実にテリトリー活動を開始する。
テリトリー活動を開始する場合は小雨状態の中以外には通常活動する場所と変わらないが、ほとんど無風の時には幼木の芽先や葉、イタドリ、ヨモギなどの下草など比較的多様で植物を選ぶといより静止場所を選ぶ。
風の強い日には、幅の広い葉や、枝先の葉はど強風で裏返るような葉は選ばす、大半風任せで揺れるようなススキの葉に静止する。
逆に雨あがり時など葉が濡れているような時間帯に活動し、静止する場所は静止時に滑りやすいススキのような細く直立している植物は選ばず、比較的葉の幅が広く平面の、静止時に滑りにくい葉を選択する。
激しく行き来するテリトリー活動を眼で追いかけるのは非常に難しいが、テリトリー活動には一定の幅があり、左合の折り返し点を見極めれば、もし見失った場合、視線を左合の折り返し点の真ん中に戻せば再度視線に飛び込んでくる。
静止場所を見極めるには激しく左合を行き来している最中は静止するこてはなく、その行為の最中に一定の葉先で小さな旋回活動を始めたら その旋回活動の中の葉先に静止する。
最後に小雨状態の中でのテリトリー活動は、通常のテリトリー活動とは全く異なり、あちこちでテリトリー活動をすることはなく、通常のホスト木の周囲でもなく、周囲は樹木に囲まれ、一方のみに空間があるような場所で、なおかつその場所に見られる植物は背丈がさほど高くなく、さらに高さもある程度一定であり、多少葉の幅もあり、平面的なジャガイモ、ゼンマイ畑などが好まれる。
テリトリー活動をするためにというよりは、体を動かしたい、仲間と出会い遊びたいという表現しか言い様のない、激しく飛び交うこともなく、卍、追尾活動をすることもなく、葉上の空中をじゃれるように軽やかに何匹ものキマダラルリツバメが遊ぶ光景が想像できるだろうか。
こんな光景は小雨状態なら毎回見られるわけではなく、
私はこの地方へは毎年2〜3回の採集であるが、こんな光景を目撃するという幸運に恵まれたのは数回のみである。
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