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2012年7月28日 (土)

オオゴマシジミの習性

オオゴマシジミの採集者は、朝、食草であるクロバナヒキオコシやカメバヒキオコシの花に静止している個体を探す人が大半である。
しかし、早朝花に静止している個体、それ以上に多いのは背丈のあるヨモギの上部の葉に静止して夜を過ごす個体は羽化後1週間以上経過した個体であり、羽化直後の縁毛までもが新鮮な綺麗な個体ではない。

オオゴマシジミは羽化してから1週間前後の個体はカメバヒキオコシなども含め、地上近くの下草に静止して夜を過ごすことはなく、ギフチョウ同様、生息地内の樹木、特にカエデなどの大木の枝先に静止して夜を過ごす。
この習性を把握するには、薄曇りの採集時に草地の上を飛翔している個体を観察していると、多少湿度があがり雨でも降りそうな気象状況になると、飛翔していた個体が必ず舞い上がり静止する樹木が見いだせる。
また、好天の場合は午後2時から3時ごろになると活動パターンが変わり、午前中の食草周辺の草地の上を飛翔していた個体は大半姿を消してしまうことから、採り尽くしたような錯覚に陥る人を多く見受けるが、実際はこの時間帯からは樹木の先端や枝先を飛翔活動を活発にする数多くの個体みられ、このような樹木も夜を過ごす樹として選ばれることが多い。
このような夜を過ごす樹木をみつけると新鮮な個体を容易に採集できる。

夜を過ごした樹木の先端部に朝陽が当たりだしたら、その樹木の周囲、根元から20〜30m以内の下草に多少遅れ気味に朝陽が部分的に当たりだすと、静止していた個体が舞い散るようにその下草に降りてくる。
舞い降りた個体は周囲を飛翔することもなく、下草に静止し、翅を広げて日光浴をしてから吸密活動など行動を開始する。

このような習性を理解し、発生初期には部分的に朝陽が当たる下草、最盛期には食草の花穂や周囲のヨモギを探してみると成果があがる。
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