オオイチモンジの習性
早起きのオオイチモンジは夜明け前の4時過ぎには活動を開始する。
オオイチモンジには何匹もが集まって夜をすごす寝床となる樹木があり、発生初期には食樹であるドロノキが寝床として利用されるが、交尾、産卵が終わると食樹から♂♀共に離れるようになり、寝床として利用されるのは柳林の外側に位置し、飛翔時に下方に滑空しながら飛び立つことから、枝先に下方を向いて静止するため飛翔方向には必ず空間があり、枝先への出入りに障害物がないような柳林の林縁に位置し、さらに樹液がでているような柳の木を選ぶ。
このような寝床となる木を探すには、ヤマキマダラヒカゲ、コムラサキ、エルタテハなどが頻繁に出入りしている木を見つけたらよく観察するとオオイチモンジが見いだせることが多い。
オオイモンジの♂は夜、枝先の葉に静止して夜を過ごし、早朝夜明けに寝床となる木の枝先や梢の上を短時間飛翔しては枝先に静止するという行動を繰り返す。
一方♀は太い幹や枝に静止して夜を過ごし、♂が活動を開始しても幹などから放れることはなく、最初に活動を始めるのは太陽があがり、夏の陽射しが樹木に差し込み、陽光が樹木を包みこみだすころに幹などを這い回りだす。
そのため、早朝、幹に♀が見いだせなくても、幹の裏側に静止していることがあるため、ある程度時間をかけて観察する必要がある。
私は寝床となる柳の木から最高7匹の♀が幹に静止し夜を過ごした光景に八ヶ岳山麓で出会わせている。その日の気象条件にもよるが、好天の日には大半7時前後から寝床となる樹木の周囲を旋回するような飛翔活動が始まる。
♂♀ともにこのような飛翔活動は昼前後まで続き、その後林道沿いや渓流沿いなどでの活発な飛翔活動となる。
このような寝床となる柳には日中でも樹液に飛来することが多いので、日中からこのような樹木を見つけておくと、寝床となる樹木を発見できる可能性が高い。
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