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2012年8月 7日 (火)

ゴマシジミ

関東甲信越で採れなくなった代表的な蝶がゴマシジミとクロヒカゲモドキである。

昔、この2種類は山梨県の茅ヶ岳山麓が広がる日野春から韮崎市、甲州市(旧・塩山市)辺りに行けば短時間で満足する個体数が採れたことから、この2種類の採集にわざわざ出向くこともなく、何かの採集の帰りに立ち寄る程度の採集で十分であった。

ゴマシジミの好産地が点在していた日野春周辺は住宅化など開発が続き、茅ヶ岳山麓の北杜市(旧・明野村)は基本的に発生地が木材伐採地であり、毎年次々に伐採されていたが、何年か前から山麓はほとんど伐採されなくなった。
通常、伐採地は伐採後3〜4年、長くても5年もすると伐採された木からの2番芽が成長し、さらにススキが入り込むので、ワレモコウは背丈の高いススキに負け、自然消滅してしまう。こんな状態で自然消滅してしまう生息地が続出し、また、甲州市の生息地は伐採地より、田畑、果樹園の土手や休耕地に多く、これも開発、農薬などで消滅した生息地もあるが、採集圧が見逃せないことも事実である。

日野春周辺が採れなくなったことから山梨県のゴマシジミ採集はこの地域に集中した。

何れも局地的な狭い生息地のため、1産地で1日2〜3匹。 この少ない個体数に満足して短時間で切り上げていれば、仮に毎日採集者が入っても産卵機会はあり絶えないのたが、ある年、1産地に1日中張り付き、しかも1週間徹底的に採りつくすという暴挙的な採集者が現れ、この人が張りついた生息地はことごとく絶滅した。

今、山梨県には個体数は少ないものの、確実に生息している地を13ケ所を把握している。
これ以外にも山中には数ヶ所の生息地が点在しているが、何れも局地的で個体数は少ない。

どうしても山梨県のゴマシジミが採りたいというなら自衛隊北富士演習場がお勧めである。
個体数は多く、行きさえすれば間違いなく採集でき、副産物としてヤマキチョウ、キマダラマドキ、ヒメシロチョウなどと出会える可能性もある。
但し、演習場に入れるのは日曜日のみ、さらに広大な草原で日陰もなく、水分補給は十分に。

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