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2012年8月10日 (金)

ムモンアカシジミ

蝶採集も本格的なシーズンは終盤近くなり、これから関東甲信越で狙えるのはゴマシジミ、ムモンアカシジミ、ヤマキチョウ、ルーミスシジミ、キベリタテハ、ツマグロキチョウ、シルビアシジミ、クロコノマチョウ、サツマシジミなどのほか、発生の遅い産地のベニヒカゲ、キマダラモドキ、スミナガシなどであるが、何れも局地的に生息する種類である。

以前は3時過ぎくらいから、山里の林縁や耕地周辺を車で流していれば、比較的容易に枝先をチラチラと飛翔するムモンアカシジミが見られたものである。
しかし、以前生息していた地でさえ、最近は個体を見ることができなくなってしまった。
ムモンアカシジミは生息地を移動することもあり、ホストである栗、コナラ、ミズナラなどが大木の場合は比較的移動しないが、林縁などで数m程度の移動の場合は蟻の巣の問題である。
蟻の巣が移動したか、ムモンアカシジミが新しい蟻の巣の利用に変えたかのどちらかである。

このような移動ならムモンアカシジミが激減することはないが、一番の原因は林道や農道の舗装化である。
最近は農作業に行くにも、時には高級乗用車を利用する人までもみられ、僻地の農耕地でも車で行かれるように、とにかくこんな道までというほど舗装化されている。
この舗装工事で道端の蟻の巣は破壊され、蟻がいなくなり、蟻と共棲するムモンアカシジミも激減したと考えられる。

松本、諏訪、茅野、小淵沢などの昔から個体数の多い生息地は何れも行き止まりの農道や荒れ地に自生する栗などの大木がホストで、これからも移動、絶えることなく楽しませてくれる生息地だろう。
ムモンアカシジミの採集は通常ホスト樹の高所枝先などを活動拠点にしているため、5〜9mの長竿が必要となるが、朝方静止している枝先からホスト樹の周辺下草に陽があたりだすと、下草に舞い降り、日光浴や吸密活動をする時間帯なので、採集にはこの時間帯が狙い目である。
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