ル―ミスシジミを狙い撃ち
8月半ば、本来ならオオゴマシジミが終わり、ゴマシジミも最盛期を過ぎようという時期にも関わらず、私はいまだにオオゴマシジミを求めて福島県や新潟県に通いつめている。
春先のギフチョウから始まり、各種の発生が遅れ気味の今年のシ―ズンだが、発生が遅れることは今年に限らず、最近は遅れ気味な年が多い。
しかし、春先から発生が遅れ気味の年でも、梅雨が明けると 夏場の蝶は大半通常の発生時期に戻るものである。
ところが今年は梅雨明けしても夏場の蝶、オオヒカゲやオオゴマシジミ、ゴマシジミやヤマキチョウなどほとんどの種類が1週間から10日 、さらに2週間以上も遅れている種類、生息地も見受けられる。
そんな中、ル―ミスシジミと言えば8月下旬の蝶であるが、この種はあまり他の種類とは関係なく発生するのが通常である。
発生自体は梅雨明け前で、真夏の暑い時期が到来するまで発生木から離れることはなく、集中的に発生木に絡んでいる。 残暑厳しい8月下旬から9月初旬になると、ル―ミスシジミは涼を求めて集団で沢筋へと移動を開始する。
沢筋へと移動しても本当に暑い日以外は樹木の高所枝先に留まり下方に降りようとはしない。
この頃から採集者は本格的に動き出すが、ル―ミスシジミの採集には成果をあげるコツがある。
10〜30匹程度の採集で良ければ7月中旬の梅雨明け1週間後くらいから8月中旬頃までが最適の採集だが、これはある程度現地の見識がないと無理だが、初めてでもチャレンジ精神旺盛の人なら大丈夫。
沢筋には発生木があることが多く、この時期は移動前で溜まっていることからこの発生木を叩けば面白いように飛び出してくるが、叩き方がポイント。
強く枝先を叩くと一斉に飛び出し、周囲の樹木の枝先や高所に散らかってしまう。
枝先を静かに、少量ずつ叩くのが最良で、この叩き方を繰り返しながら、飛び出し、静止したル―ミスシジミをネットインするが、発生木の他の枝先に移った個体は、他の個体を驚かさないようになるべく静かにネットインする。
8月下旬から9月初旬になるとル―ミスシジミは発生木から離れて沢筋へと集団で移動を開始するので、千葉県の清澄山麓の沢筋や林道沿い、周辺のダムに流れ込む沢筋などではたいていル―ミスシジミをみられるようになる。
1番の狙い日は高温の暑い無風の日で、このような場所では容易に出会える。
採集者をみていると、ほとんどの人が長竿で陽当たりのよい枝先を叩きながらの採集であるが、これでも成果はあがるが暑さと手首の疲れは厳しいものがある。
私の採集は逆で、短い竿で木漏れ日の差し込むような沢筋の土手や、林道沿いの岩場などに自生する目線より下方の幼木やシダ類などの草を見ながら、軽く風圧を与えながらの採集である。
ほとんどの人が上向きの視線をおくりながらの採集で、足下の土手などに目もくれないが、暑い日には高所の枝先よりはるかに個体数は多く、より成果もあがる。
同行の採集者が高所の枝先を叩きながら採集して行ったあと、多少時間をおいて進むと採集者が叩き出した複数の個体の見落としで、さらに増えている恩恵にも恵まれることさえある。
このような採集ができる日はさらに気をつけたいのが河原である。
河原の砂地や、多少大きめな石に生えるコケやシダ類などに静止していることが多く、砂地は陽当たりのよい場所でも吸水しているが、コケやシダ類などに静止している場所は木漏れ日が差し込むような場所が狙い目である。
このような採集方法がわかれば、暑い日中何時間もかけての採集ではなく、短時間で予定数の成果があげられる。
ちなみに私は2分に1匹くらいの採集だから、1〜2時間の採集で切り上げている。
もう始まっているル―ミスシジミ採集!
他の採集者より先に入るのも成果ををあげる最善の策ではあるが、いかにその日の天気を読むかも重要なポイントである。
最後にヒル対策!
長靴に5cm以上の両面テープを一周貼り、そのテ―プに塩を一面に塗りつけるとこの塩の部分から上には這い上がらない。気をつけたいのはネットからの取りだし中にネットの竿を上がってくるヒルもいるので要注意!
あればヒルノックが効果的!
最悪ヒルにやられたら、よく血を拭き取り、煙草の中身を水で湿らせ、その煙草をバンドエイドでしっかりとめておくと、血止めににり、また後日痒みなどがおきないので禁煙の人もぜひ持参されたい。最高に効果的なのは東南アジアの巻き煙草であるが・・・ 。
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