シルビアシジミ
本格的なシルビアシジミの発生期を迎えた。
関東から近い生息地としては栃木県の鬼怒川流域。
この河川の多産地としてはさくら市であるが、さくら市は採集が禁止されているので隣接する宇都宮市や矢板市での採集となる。
さくら市の河川では同時期に発生するツマグロキチョウやミヤマシジミの採集をしていても、要するにネットを持っていると注意されるのでさくら市でのこれらの採集も避けた方が懸命である。
個体数は多くないが、生息地が点在しているのは千葉県で鴨川市に12ヶ所、南房総市に8ヶ所、館山市に2ヶ所を確認している。
各生息地とも個体数は多くないが、生息地が比較的近くに位置していることから1日に何ヵ所か回ればそれなりの成果はあがる。
栃木県鬼怒川流域、さくら市の保護区ではミヤコグサを集中的に植えて保護しているが、他地域はミヤコグサは少なく、大半はクローバを食草としている。
千葉県もミヤコグサのみを食草としている地域は館山市のみで、生息地が点在する鴨川市や南房総市ではわずかにミヤコグサがみられる程度でほとんどシロツメグサを食草としている。
シルビアシジミは当たり年が数年間隔であり、通常9月下旬からの発生であるが、当たり年の年は9月初旬から発生がみられる。
シルビアシジミの採集に行くと、採集者は決まって草地を歩きながら採集しているが、これは田んぼの畦道などでは効果的な採集であるものの、河川敷などでは成果はあがらない。シルビアシジミは土手や草地と思い込み、このような草地を歩きながら採集している人がほとんどであるが、草地では希にシルビアシジミはみられる程度。
ほとんどのシルビアシジミは草地の蒸れを嫌い、陽射しが強く当たりだす時間帯からは草地脇の車道のような砂地などの地面を好み活動場所とし、地面すれすれを活発に飛翔している。
ツバメシジミやヤマトシジミも同様な活動をし、区別しにくく、最初はネットインし、確認してかの採集になるが慣れてくると、黒っぼく、素早く、小刻みに飛翔するシルビアシジミは青白く、すぐ静止するツバメシジミ、一回り大きく、上下動が激しいヤマトシジミとは区別がつくようになる。
ただ、ツバメシジミの小型な♀、ヤマトシジミの小型の個体などは一瞬の判断では難しいこともあり、このような個体はネットインしての確認が必要!
また、シルビアシジミとしては比較的大型で鮮やかなブルーの個体が飛翔しといることが希にあり、ヤマト、ツバメ?と異様な感じがしたら必ずネットイン!
これはヤマトシジミとの雑交個体で、色彩、翅形はヤマトシジミ、班紋はシルビアシジミという個体である。
また、色彩、翅形はシルビアシジミも班紋はヤマトシジミという雑交個体もみられることから、疑わしき個体は必ずネットインし、色彩や班紋のみで安易に判別しないことだ。
特にこのような雑交個体は鬼怒川流域に多くみられないので要注意である。
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