トラップ
蝶採集には多くのトラップが使用されている。
トラップには大きく分けると色で集めるものと、臭いで集めるものとのふたつに分けられる。
色でのトラップで代表的なものはギフチョウ採集に使用されているブルーのシ―トや布である。
色でのトラップは基本的に吸密する花の色であり、ハイビスカスが主吸密源のツマベニチョウは赤。
ユキヤナギやふきのとうなどが主吸密源のヒメギフチョウは白。
カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ=赤。チャマダラセセリ=黄色。
アオバセセリ=青&白。
オオゴマシジミ=青。などは私がトラップに使用している色である。
臭いで集めるトラップの代表的、万能なのはマレーシアで販売されている料理材料のベラカンである。材料はエビやカニをミンチ状態にしたものを固形化した物であり、物凄い匂いだ。
このベラカンの使用法は削って地面に撒き、ボカリスエットや焼酎、日本酒などで水分を与え、さらに匂いを漂わせる。セセリ、シジミ、シロチョウ、アゲハ、タテハ、ヒカゲ類など万能である。
匂いには肉類と果物があり、肉類や魚類で代表的に使用されているものはカニやブタ肉である。
カニは砕き多少の日本酒をかけての使用。ブタ肉は脂身のある物をビニール袋に入れ、陽当たりの良い場所に1〜2時間放置しておくとすぐ腐敗する。
これを現地で砂と混ぜ合わせることで乾燥を防ぎ、地面に置く。
何れもオオイチモンジなどタテハ類に使用するが、運搬途中物凄い匂いが漂うので保管方法は一考が必要。
果物で使用するのはバナナ、パイン、リンゴ、ミカンなどが代表的。
何れも適度の大きさにカットして、焼酎など酒類で漬け置きして利用する。
このトラップも基本的にタテハ類が主目的であるがヒカゲ類にも効果的だ。
フタオチョウ、コノハチョウの観察にはパイン。
オオイチモンジ=バナナ、リンゴ、パイン。
キベリタテハ=パイン、ブドウ、桃。
地面にトラップを仕掛ける場合は多少地面に湿気があり、自然状態でも各種が吸水に集まるような場所がベスト!
木の枝などに吊るすトラップは木漏れ日が差し込み、片側に旋回できるような空間があることが絶対条件である。
トラップを使用するかしないかにより、極端に成果が異なる種類があるのでぜひ効果的なトラップ使用での採集をお勧めしたい。
但し、使用したトラップは必ず持ち帰るなどの後始末は厳守したい。
発生状況を計る植物の芽吹き、開花をはじめ飛来する時間帯。
肉類、魚類、果物類、色彩など各種トラップ、飛来種類なと詳細は私が著作、販売している
関東甲信越の蝶採集・観察マップ vol.10 に記載されているので参考にされたい。
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