ゴマシジミ・激減した種パートⅠ
山梨県のゴマシジミと言えば、日野春というほど青く、大きな個体群としつ一時代を築いていたが今はほとんど見られなくなってしまった。
絶滅状態に陥った原因は開発だろう。
日野春周辺のゴマシジミ生息地は林道沿いの草地や耕地周辺、果実畑周辺の荒れ地などが主な生息地であったが、道路拡張、舗装化、住宅地への開発のほか、荒れ地の放置、鉄塔ラインへのススキの侵入などでことごとく絶滅状態に陥った。
さらにゴマシジミの多産地が点在していた茅ヶ岳山麓は基本的に伐採地での生息が大半であり、定期的に山里周辺から山腹方面に、山腹上部までいくと再度山裾方面へと伐採が繰り返し行われていた。
伐採地にはゴマシジミがすぐ生息地として発生を繰り返し、3〜4年は安定個体数が発生し、環境の良い場合には5年前後発生を繰り返すことさえある。
伐採地の場合は二番芽の成長が背丈を越すようになると、伐採地に自生していたワレモコウが一気に姿を消し、陽当たりのよい林縁のみにわずかにワレモコウがみられる程度となりゴマシジミは個体数を一気に激減してしまう。
日が差し込むような祖林の場合は二番芽がある程度生育してもゴマシジミ生息地として保たれるが、このような場所にはススキが侵入を始め、1〜2年でススキに覆い占められたらゴマシジミの生息地としてはなりたたなくなる。
最近は定期的に行われていた伐採も余りされなくなり、さらに厳しくなっている。
現在残されている希少な生息地も局地的な、狭い草地での発生で個体数は極めて少なく、私が1日4〜5産地を転戦しても最高で4〜5頭、0などという最悪の日も少なくはない。
それでも山梨県にはまだまだ生息地は点在し、環境の良い伐採地ができ、また、最良の生息地ができるのを待ちたい。
現在のゴマシジミ生息地
北杜市須玉町御門、明野小笠原、千本桜、韮崎市穂坂町、甲府市竹日向町、山梨市三富町、甲州市上萩原、中萩原、中原、笛吹市上黒駒、富士河口湖町本栖、富士吉田市北富士演習場などがあるが、狙って間違いなく採れるのは自衛隊北富士演習場である。
但し、北富士演習場は日曜日のみゲート開放・入場可能などの制限があるので要注意!
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