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2012年11月 4日 (日)

ゴマシジミ

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ゴマシジミと言えばワレモコウに静止している姿を思い浮かべる人が多いだろう。

採集に行くとワレモコウを探し、ワレモコウにとまっていないかと目がいく人は大半だと思う。
そんなゴマシジミの採集時には、多少でも習性を覚えておけば成果があがる。

発生初期のゴマシジミは♂♀関係なく朝方はワレモコウに静止していることが多く、採集地域内のワレモコウを見て回れば成果があがる。
ところが交尾が済んでしまうとワレモコウにこだわって静止しているのはほとんど♀の個体で、夜を過ごすのもワレモコウに静止したままである。
♂は周辺の草に静止していることが大半で、これはオオルリシジミやオオゴマシジミなどにもみられる傾向である。

♀はゴマシジミにしても、オオルリシジミ、オオゴマシジミにしても、花穂の先端に静止しているが、♂は他の草の茎に静止していることが大半であり、静止している個体を目で探しだすのは容易ではない。
ただ、ゴマシジミを含む3種とも食草であるワレモコウ、クララ、カメバヒキオコシなどから遠く離れることはなく、大半5m以内の草に静止している。
日中活発に活動を開始し、飛び交いだしたら容易に見つけだせるが、朝方など静止している時間帯には、ワレモコウの周辺の草地の上を軽く風圧を与えるようにネットを振りながら探索すれば飛び出してくる。

気をつけなければならないのは、背丈前後もあるようなススキの群生地のなかにも、静止している個体が意外に多いので見落とさないことだ。
また、吸蜜時間帯にはワレモコウより、周囲のハギの花を好んで吸蜜源としている。

日中、暑い時間帯になると、それまで飛翔していたゴマシジミが全くみられなくなることがある。
こんな時には、2〜3m前後の枝が張り出した幼木の根元近くを軽く叩くと飛び出してくる。
これは暑さを避けて、幼木の根元の空間に潜りこみ休んでいるからである。

またゴマシジミをはじめ3種に共通して言えることは、発生初期、食草にこだわる習性や、交尾が済むと♂は夜を過ごすのに食草に静止しなくなるが、アリに絡む種類は♂が先に発生し、日数をおいて♀が発生するという方程式は当てはまらず、アリの巣の関係で発生順位がばらばらであることも頭に入れておきたい。

交尾後の♂が夜を過ごすのに好んで静止する植物は

ゴマシジミ=ススキ

オオゴマシジミ=ヨモギ

オオルリシジミ=スゲ類などである。

ゴマシジミの発生は標高の高い生息地から!

伐採地を探すには、林道に大型車の輪だちの痕跡が激しくついている場合は、伐採した材木を運びだした証である。

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