« マレーシア・ランカウイ島採集ツアー! | トップページ | クモマツマキチョウ! »

2012年11月30日 (金)

ギフチョウ!

ギフチョウ!

110501_111101_2

今年も残すところ1ヶ月!
仲間が集まると、来年のギフチョウの発生時期や採集地の話題で盛り上がる時期になってきた。

以前は桜前線と一緒に北上したギフチョウの発生も、温暖化などの影響で関東甲信越地方ではさほど変わらない発生状況となり、採集地の選択を求められる状況になってきた。

私のギフチョウ発生時期をつかむヒントは桜の開花状況ではなく、つくしんぼ!
体感温度と地上温度の違いが、桜の開花とギフチョウの発生とが一致しない年が多くなり、その点つくしんぼの発芽とギフチョウ発生は同じ地上温度が関係することから一致するのだ。
桜全線は新聞やTVなどから情報収集が可能であるが、つくしんぼの発芽状況は自分が出向かなければ確認のしようがない。
私は各地の定宿や農作業をする方々と親しくさせて頂いていることから、毎年のことであり、陽当たりの良い南側、北側などでのつくしんぼの発芽状況を観察してくれ、的確に情報収集ができるようにしてある。

ギフチョウの朝1番の活動時間は生息地により夜間の温度などにより異なり、早い生息地では7時前後から、遅い生息地では9時前後からの活動になり、午後の活動は11時過ぎからは好んで山桜に飛来する傾向が見られ、陽当たりの良い桜には4時過ぎまで吸密する個体が見られるが、遅い時間帯に吸密している個体は大半♀である。

夜間は杉など針葉樹の枝先に静止し夜を過ごすが、伐採地の場合は植林された地域に必ず1〜2本の御神木のように伐採されず、植林地域を見渡すように立つ大木がある。
このような大木は1日陽当たりがよく、 ギフチョウの寝床として利用されることが多く、私が新潟県見附市でみつけた寝床となった大木には黄色い花が咲いたように20匹前後のギフチョウが枝先に静止していた。
大半樹木の中間より上部の枝先に静止している。
ギフチョウ採集時には早朝に現地に到着することが多く、このような時には、寝床を探してみることをお勧めする。

樹木で夜を過ごした個体は陽当たりがよく、気温が上がりだすと♂は樹木の冠や枝先を旋回しては静止するという活動を繰り返して体温をあげ地上へと降りてくるが、すぐに吸密活動をすることはなく、地上1m前後を直線的に行き来してさらに体温を暖めてから吸密活動に移る。
この♂の活動が始まるころになると、夜を過ごした♀は枝先から、ほとんど羽ばたくこともなく、落ち葉が枚落ちるように地上に降り、翅を開いて陽を浴び、長い時間そのままの状態で体温を暖めてから活動を開始する。
朝1番でギフチョウを狙う場合はこれらをヒントに、日中吸密活動をする場所ではなく、生息地内の 寝床となりそうな樹木を探し、その周辺の樹木の枝先や冠部などの観察が効果的である。
これにより寝床となる樹木を探し出すこともあり、一石二鳥である。

« マレーシア・ランカウイ島採集ツアー! | トップページ | クモマツマキチョウ! »

蝶の生態」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ギフチョウ!:

« マレーシア・ランカウイ島採集ツアー! | トップページ | クモマツマキチョウ! »