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2012年11月13日 (火)

低温型の変異!!

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最近は何万円単位の高価格な図鑑が幅をきかせている。
これは地域単位の個体を記載など・かなり詳細に写真も載せている。

ところがよく見ると、ギフチョウやクモマツマキチョウなど地域変異のある種類は、地域変異を見せるために載せているのであろうが、なんと!なんと!変異のわからない飼育個体の写真を載せている図鑑さえあるのだ。

著者がわからないのか?標本がなくて適当に確信犯での作業なのかは定かでないが、こんなことが平気で行われているのが今の蝶の世界なのだ。

さらに、新種ブ―ム でやたらと種類が分けられ、個体を見ても区別つかないようなものが、食草が違うからと新種にされてしまう。
だが、採集種類数を競いあったり、自己満足するためには種類が増えることは多いに歓迎みたいだ。 亜種でよいものが、何でも新種にされてしまう。
亜種にする事の方が新種にするより難しいこともあるのだろう。
亜種指定にする場合は、対象の個体群が既存個体群と同一地域に生息していたら亜種指定ができないからだ。
このような場合は新種なら問題ない!と簡単に新種に。
こんなバカな話があるだろうか?
こんなことが許されるならまだまだかなりの新種ができてしまうだろう。
子供がみても、蝶に詳しくない人がみても、確実に班紋が異なり、見分けのつくのが種類でなければならないと私はおもうが。

本題からそれてしまったが、図鑑が氾濫するなか、いまだに発行されていない図鑑がある。
私が余裕があれば絶対出版したいと考えている図鑑である。
これは低温期型の図鑑である。
本州で如実にみられる低温期型はヒメシロチョウ、サツマシジミ、ヤマトシジミなどが代表的な種類であるが、沖縄など南国に行くと、大半の種類は低温期型がある。
極端に班紋が異なり、それこそ、その個体をみたら別種にしたいと思うほどの変異のみられるのが低温期型である。

極端な種ではタテハモドキ!
通常は翅表の眼状紋が裏面にも出現するが、低温期型になると、裏面には眼状紋は消失してしまい、翅形さえ、上翅先端が鋭角に、テングチョウのように変わってしまう。
南国の代表的なツマベニチョウ、アオタテハモドキ、クロテンシロチョウなどをはじめ多くの種類に班紋変異がみられる。
私が沖縄方面に通いだした当初、翅表、裏が灰色のシジミチョウをネットインした時、新種だと興奮したのがヤマトシジミの低温期型であった。
翅表は灰色一色、裏面もヤマトシジミ特有の黒点班がすべて消失してしまい、表同様に灰色一色なのだ。
興奮しながらネットインを続け、ヤマトシジミだと気がつくまでにかなりの時間が経過したように記憶している。

クロテンシロチョウなどは変異のしようがないと思われるだろうが、よくみると、上翅先端の三日月形の黒い部分が、低温期型になるとカモメ型に変わってしまう。
低温期型は種類により多少異なるが、12月から5月くらいまで出現するので、この期間にこの地方に採集に行かれたら、全ての種類の採集をされ、♂♀、さらに裏展翅することをお勧めする。

どなたか低温期型に興味のある人は一緒に図鑑を作ってみませんか。

写真は南大東島のヤマトシジミ!

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コメント

mindanao davao で透明なアサギマダラ?捕まえましたが名前が判りません。
返信頂けたら写真送ります。

マダラはスジグロカバマダラ、オオゴマダラ、リュウキウアサギマダラなど透け型という鱗粉消失型の個体が時々現れます。
特に島などで近親交尾が続くと出現する確率が高くなり、八重山諸島などでも比較的多くみられます。

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