ウスバシロチョウ!

ウスバシロチョウは春を代表する蝶であり、生息範囲も広く、飛翔も軽やかで目に入りやすい蝶である。
蝶マニアと呼ばれている人たちは、ギフチョウやヒメギフチョウ、ミヤマカラスアゲハなどの採集時にウスバシロチョウが飛翔していてもネットインをすることはないだろう。
それほど一般的な蝶であると思い込まれている。
しかし、私に言わせればこれ程地方変異、個体変異が多く、個体差のある種類は他には見あたらないだろうと。
白化型、黒化型、赤色化型、黄色化型、なみだ紋型、目玉紋型、日本一大型などがあり、例えば黒化型にしても黒化の程度、黒化部分の進み方には真っ黒の個体になるまでに7タイプある。
これは白化型にも言えることで、ウスバシロチョウの個体変異を集めだしたらいったいどのくらいあるのか想像もつかないほど奥が深い蝶である。
これは一生息地でも最低3〜5タイプの個体変異がみられることでも想像がつくだろう。
さらに、黒化型にみられる習性の違いなどまで、ウスバシロチョウには解明されていない多くの謎が秘められている。
私の店ではウスバシロチョウ採集ツアーをシ―ズン中毎年2〜3回開催しているが、最初はバカにしていた人たちも、このツアーに参加されると、毎年ツアーに参加されるほどはまってしまうほど魅力的、神秘的なのだ。
特に習性の全く異なる完全黒化型などは「生息地を教えてもらっても、偶然1〜2匹でも採集できれば良いほうで、ツアーに参加し、その場で習性などを教えてもらわないと複数の採集は絶対できない」とツアー参加者から言わしめさせるほど習性などは知られていないのだ。
特異な型は広範囲に生息するウスバシロチョウであるが、わずかテニスコート程の局地的な範囲にみられることも不思議である。
私の店には全ての型の標本があるので興味のある方はぜひ一度目にしてほしい。
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