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2012年12月 5日 (水)

ゴマダラチョウ!

来春の採集・撮影計画の参考に、春先からの蝶の蝶の習性や生息地を書いているが、今回はゴマダラチョウ春1化の白化型!
ゴマダラチョウの採集は目にするほどネットインはできず、複数の採集を狙っても意外と成果のあげずらい蝶である。   と言ってオオムラサキのように越冬幼虫の採幼をして、飼育すると7〜8割りは寄生されている状況である。
たちの悪いのは、寄生されていてもサナギまでは寄生されているか分からず、サナギまで飼育しなければならないという始末の悪い寄生バチなのである。
同じ越冬幼虫であるオオムラサキの幼虫は越冬前には100%寄生されていないが、ゴマダラチョウの幼虫は越冬前に寄生されてしまっている。
人目でみればオオムラサキもゴマダラチョウもどちらでも良さそうなものであるが、そこが自然界の神秘的で、寄生バチにとってはオオムラサキではダメでゴマダラチョウではなくてはならない何かがあるのであろう。
ゴマダラチョウの白化型は知らずに目にしたら、♀が産卵活動をする様は、大きな白い蝶、まるで南国のオオゴマダラが舞うように、枝先を軽やかで飛翔し、一瞬オオゴマダラと見間違うほどである。ゴマダラチョウの白化型と言えば、狙って採集者が訪れるのは対馬である。
対馬の場合は副産物が多いということもあるが、生息地も比較的樹木、エノキが海岸線の崖上などに自生し、樹冠が林道からだと、目線になり、枝先や樹冠を飛翔するゴマダラチョウが非常にネットインしやすく、さらに個体数が多いことである。
しかし、対馬までは日数的にも、金銭的にも簡単にゴマダラチョウ採集という訳にはいかない。
そこで東京近辺の方は埼玉県の志木から浦和に抜ける荒川沿いに位置する秋ヶ瀬公園がお勧めである。
荒川に架かる羽根倉橋下から公園に入り、左側の樹林地帯の散策路沿いには多くのエノキが自生しているので観察していると、枝先を飛翔するゴマダラチョウが容易に目に飛び込んでくる。
しかし、この公園の樹林は樹高があり、枝先を飛翔、静止するゴマダラチョウのネットインには長竿は必需品であり、慣れないと難しさも伴う。
白い個体は特に♀に白化傾向が多く、狙うのは産卵活動をする♀だ。
産卵活動は散策路など片側に産卵するために枝先などを目視確認する小刻みに飛翔する空間があり、木漏れ日など陽当たりもある2〜3mの幼木が狙い目となる。
見とうしの良い散策路の位置に立ち、注意深く観察していると、産卵活動に飛来するゴマダラチョウが必ず目に飛び込んでくるので駆けつければ十分間に合う。
産卵活動する個体は幼木の枝先にまとわりついているので、焦らず狙えば容易にネットインできる。 この秋ヶ瀬公園のゴマダラチョウも白化は著しく、対馬の個体と比較しても勝るとも劣らないような個体である。
広範囲に狙えるのは山梨県北杜市である。
この地域の個体群の白化傾向は私が知る範囲では最高に白化が著しく、しかも♀は大型化することから非常に見応えのある個体である。
問題は広範囲に生息するものの群生地がなく、非常にネットインしずらいことである。
中央自動車道・須玉ICから国道141をすぐ右折し、塩川沿いに増富鉱泉方面に進む道路沿いにはエノキが多く自生し、ゴマダラチョウも比較的多いが、樹木は高く枝先を飛翔する個体は狙いずらいので、秋ヶ瀬公園同様に道路沿いの幼木に産卵活動に飛来する♀狙いである。
また、茅ヶ岳広域農道周辺の道路沿いにもエノキの自生が多く、林縁など狙い目となる場所でも♀の産卵活動が狙い目となるが、飛翔活動が活発な場所では、この季節にはまだ樹液がでていることは少なく、トラップ採集も効果的である。
蜂蜜、酒、酢などて樹液に似た物を用意できればよいが、準備するのに簡単なものはバナナやパインである。
バナナは半分か三等分に皮ごと、パインは小さく切り、ソックスなどに適度に入れて焼酎(私は泡盛の35度)で漬けておく。
これはタテハ類などの採集時にはどんな種類でも利用できるので常用として常に用意しておくと便利である。
このトラップ採集も木漏れ日があたり、片側に旋回する空間があるような枝を選び、できれば5m前後の間隔で4〜5ケ仕掛けたい。
さらに、霧吹きで周囲の枝先に焼酎を丹念に吹き掛けると非常に効果的であり、しかもトラップではなく枝先に静止する個体も多く、ネットインもしやすくなるメリットもある。
とにかく、この白化型のゴマダラチョウは一度チャレンジされネットインされたら、必ずや魅力にとりつかれると言っても過言ではないと言える。

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