2013年・ギフチョウは!
年も開け、早くも今年の採集計画がささやかれだし、春1番のギフチョウの発生予想を聞かれるようになってきた。
ギフチョウの発生は雪の少ない関東周辺では早く、3月下旬には初見が報告されるのではないだろうか。
降雪量の多い新潟でも、早い生息地では4月上旬には見られるだろうが、基本的には雪解け1週間後には発生が始まる。
今年のような寒い冬はギフチョウの蛹が完全に寝ているため暖かくなりだすと一気に発生をはじめることから発生は早くなる。
逆に暖冬の年は、蛹が寝たり起きたりと安定せず、さらに暖冬の場合、寒暖の日が繰り返したりと安定しないため、蛹はいつ羽化したらいいか様子見になるため発生時期を見定めしずらく、ダラダラ発生となり、発生は遅くなる。
さらに羽化しようと蛹の中で羽化準備が進み、体を作ったあとで寒波がくると、羽化態勢になっている蛹は養分がなくなり寒さに耐えられず、そのまま羽化できず死んでしまう蛹が多くなり、個体数の少ない年となる。
ギフチョウの発生状況をみるうえで1番厄介なのが3月中旬の寒波である。
2日前後の寒波はたいした影響はないが、春に向け、暖かい日が続きだした時に5日以上の寒波がくると、蛹は死に、個体数は少なくなり、ダラダラ発生となる。
ギフチョウの発生は桜の開花と一般的に言われているが、必ずしも開花と一致するとは限らず、1番間違いがないのは[つくしんぼ]の発芽が参考になる。
桜は体感温度で開花するが体感温度と地上温度とが必ずしもマッチすることもなく、地上温度で顔を出すつくしんぼはギフチョウの蛹と同じ環境にあり、つくしんぼが顔を出し、陽当たりの良い場所でつくしんぼが最盛期に立ち並ぶ状況になったら間違いく発生している。
今年のような降雪量の多い地域は雪解け後には一斉発生するので、時期を間違えるとボロばっかしということにもなるので要注意である。
このまま寒さが続き、3月になって暖かくなりだし、極端な寒波が来なければ、発生は意外と早いと考えていいだろう。
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