ウラゴマダラシジミ!
ウラゴマダラシジミは最近余り話題にもならないが、この種はシジミチョウ類のなかでは地域変異が かなりみられ面白い種類である。
関東近辺でも生息地も点在し、特に千葉県鋸山周辺や神奈川県平塚市などは大型で黒化が進んだ型であるが個体数は少なく希少個体群である。
特に変わった個体群は私が名つけたウラゴマダラシジミ八ヶ岳亜種だ。
私がこの個体群と出会ったのは蓼科湖の近くであったが、飛翔している個体を見ても小さな蝶であるという以外に何の種類が見極めができなかった。
黒い小さな蝶が地上3〜4mの枝先空間を物凄い速さで、かなりの距離を行き来している。
テリトリー活動とは異なり、ある地点の枝先まで飛翔するとUターンして引き返えてくるが、頭上を通過し40〜50m先のカーブで、小川沿いに飛翔し見えなくなってしまう。
2〜3分経過すると再度カーブから姿を現すという飛翔を繰り返し、何処にも静止しようとはしない。
この行動を繰り返している個体が何頭がいるが、途中ですれ違っても卍活動や追尾をすることはないことからもテリトリー活動ではないことが理解できる。
一瞬ホシチャバネセセリ?と頭をよぎるが、ホシチャバネセセリとは大きさが違う。
対馬の沢沿いでみたホシチャバネセセリも物凄い速さで行き来し、初めて見た飛翔時には小さい虫かと思い、蝶であると認識できるまで時間がかかったが、30m前後を数回行き来すると、他の草より背丈の高い突起した草に静止することから、ネットインしての確認であったが、飛翔活動はそのホシチャバネセセリとそっくりなのだ。
橋の上で竿を伸ばし空中戦を試みるが長竿ではどうしても振り遅れてしまいなかなかネットインができない。
何回も振り、驚かしていなくなってしまわないかと心配するが、ネットを振られた瞬間体をかわすが すぐ何もなかったかのように同じコースに戻り飛翔を続けている。
何回目のチャレンジであったかは記憶にないが、やっとネットインし、興奮気味に確認すると、なんとウラゴマダラシジミであった。
しかし、個体は通常八ヶ岳山麓に生息する個体群と比較すると極端に小さい。
翅表の黒渕は巾が広く、翅基部から広がる薄青の色彩は濃い紫っぼい青色で、全体に黒い感じのする個体であった。 ウラゴマダラシジミは3時前後から夕方にかけて活発に飛翔活動をし、かなりのスピードで同じコースを多数の個体が行き来するが、この八ヶ岳亜種の個体群は極端に速く、他地域の個体群とはあきらかに異なる習性をみせる。
その後の調査で、この個体群の生息地は八ヶ岳山麓に2ヶ所みつけだすことができた。
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