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2013年1月24日 (木)

フジミドリシジミ!

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関東甲信越で比較的採集が困難なゼフィルスは、フジミドリシジミではないだろうか。
フジミドリシジミは狙って採れる他のゼフィルスとは違い、採れても少数である。
フジミドリシジミは早朝、集団で食樹であるブナが自生する 下方空間の草地に降り、翅を広げて日光浴まがいの行動を集団でとる。

それなら、その場所を狙えば採れるのではと考えるだろうが、他のゼフィルスのように毎年同じ場所なら簡単であるが、フジミドリシジミはこれが当てはまらない。
樹木の成長、発生時期の太陽の角度、風力、などなどの理由で草地への陽当たりが変わってしまったりすることから、毎年同じ場所で早朝に見られることはない。
それでもなかには個体数が激減するが稀に早朝降りている個体が見られる場所もわずかにあることも確かである。

このような草地に降りた場所を知っていたら、その周辺の林道沿いの木漏れ日が差し込むような下枝を探すと、葉に翅を閉じて静止している個体を見いだせる可能性は高い。
また、夕方になると谷筋の空間などで飛翔する個体がみられるが、占有活動をするような激しい飛翔ではなく、何頭ものフジミドリシジミが絡みじゃれるように軽やかに一定空間で飛翔していることもある。

♀は7月下旬から8月初旬、林道の湿気のある地面で吸水している集団を見ることがあり、♀はこの時期だと狙って採ることも可能である。
こんな遅い時期では破損個体ではと考えるが、羽化したばかりではないかと思えるような新鮮個体が多いのには驚かされる。
オオゴマシジミ採集の時、亜高山に生息するオオゴマシジミ生息地は周辺にブナ林が多く、注意深く観察していると意外にフジミドリシジミが採れることが多い。

♂を狙うなら、比較的採集の可能性が高いのは長野県秋山郷、上高地乗鞍林道、 福島県檜枝岐村、三島町、西会津町、新潟県笹ヶ峰、銀山平 などは狙ってみる価値がある地域である。
ただ、フジミドリシジミの♂は発生時期が生息地ごとに異なり、早い生息地では6月中旬、遅い生息地では7月中旬になる場所もあり、記載した生息地で福島県南会津地方や新潟県、上高地乗鞍林道辺りは6月下旬、他の記載地は7月初旬の発生地が多い。
オオゴマシジミ採集時にフジミドリシジミの♀を狙うなら、林道の湿気のある地面周辺をチラチラと飛翔する個体や、枝を叩くなら比較的空間のある沢との出会いや、林道沿いの空間のある、直射日光のあたらないような下枝が狙い目となる。

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