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2013年2月24日 (日)

アリと共生する蝶・パ―トⅡ ムモンアカシジミ

アリと共生する蝶・パ―トⅡ           ムモンアカシジミ


アリと共生する蝶・パ―トⅡ           ムモンアカシジミ

ムモンアカシジミは7月中旬から8月にかけて発生する。
幼虫は半肉食生で各種木本植物とそれらに寄生するアブラムシ類やカイガラムシ類を食べ、クロクサアリと共生する。
卵で越冬し、他のアリと共生する種類と異なることは、アリの巣の中で他の種類は蛹化するが、ムモンアカシジミは幹を下り、根元の落ち葉の裏面などで蛹化する。
午前中静止する樹木の枝先や、下草などに陽があたりだすと枝先から下方におり、下草の上などで日光浴をするように一時翅を広げ、その後ヒメジュオンの花などから吸蜜活動をする。
その後再度枝先に戻り夕刻近くになると枝先辺りを活発に飛翔活動をする。
この種は交尾活動に特異な行動をみせ、 羽化した♂が枝先で待ち、次々に羽化する♀に♂が瞬時に飛翔し何組かの交尾が一斉にみられる。
以前は至るところで生息が確認されたが最近は農作業にもほとんど車が使用されることから人家周辺や農耕地周辺での生息地の林道や農道の舗装化にともないクロクサアリの巣が破壊され、共生するアリが生息できなくなり、極端に生息地が減少してしまった。
現在長野県では8産地、福島県に3産地、山梨県7産地のみしか私は把握していないが中でも福島県川俣町の生息地の個体群は他の産地に比較して完全にひとまわり大型の特異な個体群である。

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