クロアゲハ!
温暖化でオオムラサキをはじめ、このクロアゲハも小型化した1種である。
蝶に限らず、昆虫は幼虫の大きさが成虫の大きさであり、温暖化で幼虫期間が短くなり、当然成虫も小さくなる。
もし、何かの種類を飼育されることがあったら、15℃に管理して飼育すると、幼虫は長い期間餌を食べ続け間違いなく大きくなる。
関東甲信越のクロアゲハは♀の個体に多少の変異がみられる程度であるが、沖縄から八重山諸島にかけての個体は変異も多く、採集に行かれることがあったら必ずネットインしての確認は必要である。
班紋異常としては♀に多くみられるW紋型である。
後翅翅縁に波形に現れる赤班が、後翅中央下辺りに、翅を二分するように、外縁から、翅の基部に向かって波形の赤班が出現するタイプであり、この個体は飛翔している時でも赤く見え、一目で見極めがつく。
このW紋型は沖縄本島の春型[1化]のモンキアゲハ、埼玉県のオナガアゲハ♀にも出現する希少な個体である。
翅形変異としては一時期小浜島特産と言われた尾無クロアゲハ[写真参考]であるが、最近は石垣島や西表島でも発生している。
尾無クロアゲハとは文字通り、尾状突起がない個体である。
結構多くみられるのが短尾型のクロアゲハである。
これは尾無クロアゲハと普通のクロアゲハとの交尾によってできた個体であるが、劣性遺伝するものと考えられる。
尾状突起が通常のクロアゲハより短くなり、中には極端に短く、尾無型と見分けが難しい個体までいるので、八重山諸島での採集時には目につくクロアゲハはネットインをお勧めである。
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コメント
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初めまして m(_ _)m
今しがた、尾なしクロアゲハを見ました。
南西諸島で撮影されているようですが、本州(山口県山陽小野田市で撮影)、では尾なしクロアゲハを見ました。
珍しいことなのでしょうか?
投稿: PetitPapa | 2017年5月11日 (木) 13時37分
写真をみるとナガサキアゲハではないですか。
投稿: 柿澤 | 2017年5月12日 (金) 12時34分