ヒメヒカゲ
関東甲信越地方でヒメヒカゲと言えば、代表的な生息地は長野県岡谷市の高ボッチ高原であり、7月20日前後から発生が始まり、7月末に最盛期を迎える。
高ボッチ高原にはヒメヒカゲは広範囲に生息し、局地的多産地も存在するが、この高原でのヒメヒカゲ採集は禁止されている。
しかし、この時期この高原にはウラジャノメ、コヒョウモンモドキや大型のギンボシヒョウモン、アカセセリなど狙いたい種類も多い。
高原には木道や散策路が設置されていて高原内への出入りは制限されているが、ヒメヒカゲ以外は採集制限はされていない。
ところが、高ボッチ高原に採集に行った多くの人から[高ボッチ高原は一切採集禁止だ]と高飛車に注意され、こちらの言い分も聞かず帰されたという話を聞く。
私もこんな話を聞かされていた4〜5年前に駐車場脇でウラジャノメを採集していた時「ここは蝶の採集は禁止されている」と言われ、採集禁止はヒメヒカゲだけだろうと話すと物凄く高飛車の態度、口ぶりで一喝された。
環境管理の所属先、氏名などを聞いても一切答えす、とにかく採集禁止の一点張りだった。
身分も明かさない、所属先も明かさないボランティアだとは思われるが、最近はこのようなやたらと威張り、「俺は監視員だ」というひとが多く大変迷惑している。
確かに立ち入り禁止区域に無断で入る人、人家の庭先に、また、耕地に踏み込む人、モロモロとマナーの悪い人もいることも事実であるが、鬼怒川の河川敷でのツマグロキチョウやミヤマシジミ採集でも市町村民全てボランティアというような権利を与え、とにかくネットを持参している人は追い返せ!みたい暴挙は許しがたい。
ヒメヒカゲからまたまた脱線してしまったが。静岡県もダメ!岡谷市もダメとなると、残されたのは諏訪市から茅野市にまたがる霧ヶ峰高原だけである。
霧ヶ峰高原も開発が激しく、池のくるみ一帯で激しく樹木は見映えのする白樺だけを残して全て伐採などという、自然保護とは考えもしない荒業で環境は一変している。
それでも霧ヶ峰高原にはヒメヒカゲ生息地が三ヶ所存在し、一ヶ所は高ボッチ高原の個体数にも劣らないほど多くのヒメヒカゲが生息している。
高ボッチ高原では7月下旬が最盛期を迎えるが、霧ヶ峰高原では8月初旬に最盛期を迎え、♀の最盛期には眼状紋が全て消失してしまうような変異まで、多くの個体変異がみられる生息地である。
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コメント
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こんにちは。
最近、日本各地で蝶が採集禁止になっています。ですが、採集禁止にするだけで環境管理はほとんどせず、また、リゾート地の開発もしています。これのどこが保護なのでしょう?
保護するのなら、まず、環境を良好に保つため、草刈りや食草の移植などを行い、それでもダメなら採集禁止を考える。これが本当の保護活動ではないでしょうか?
投稿: きっしー | 2022年1月15日 (土) 13時42分